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精油とハーブのプロフィール事典《ミルラ(コンミフォラ・ミルラ) Myrrh》
![]() 英名:Myrrh ![]() ミルラ(コンミフォラ・ミルラ、コンミフォラ・モルモルは異名)は、紅海周辺、アフリカ北東部、アジア南西部原産のカンラン科の低木です。属名の「Commiphora」はギリシャ語の「kommi (ガム) 」と「phoros (実) 」に由来しています。乾燥した暑い環境のなかで野生で育ち、樹高は4〜5mに成長します。小枝の先端には棘があり、落葉性で一年の大半は葉を落としています。葉には芳香があり、小さな白い花を咲かせ、実はオリーブに似ています。茎の下部の膨らんだ部分に水分を蓄えており、乾燥地帯に生育する鳥や小型の哺乳類の水分補給となっています。樹皮は紙のように薄く剥がれ落ち、剥がれた部分から淡黄色で芳香のある樹液が滲み出ます。樹液は滴り落ちながらゴムのように粘性のある赤茶色の樹脂となります。樹脂は「没薬」(もつやく)と呼ばれ、苦味があることから別名「マー」(mor、ヘブライ語で苦いの意)とも呼ばれています。古代エジプトでは太陽神ラーに捧げられた重要な香料の一つであり、「キフィ」(練り香、安眠のための香料)の材料にも使われていました。ミルラの樹脂は古代エジプトの死生観における来世の魂の器となる「ミイラ」の防腐剤として利用されていました。「ミイラ」の名前は「ミルラ」に由来するとされ、この名前の混同から日本の江戸時代にはミイラが薬として間違えて使われたことがありました。樹脂には収斂、乾燥、防腐、消毒、抗酸化、去痰などの作用があり、香料や香水の他に薬用や化粧用としても使われてきました。チベット医学や東洋医学にはミルラにまつわる記述が数多く残されています。キリスト教と関わりの深い植物で、イエス・キリストの誕生時には黄金、没薬(ミルラ)、乳香(フランキンセンス)が東方の三博士より幼子イエスに捧げられました。聖書では神聖な油注ぎの儀式である「アノイント」の香料のひとつとして記述され、キリストが死を迎える前には没薬を含めた薬が与えられることで痛みを和らげたとされています。精油は乾燥させた樹脂から水蒸気蒸留法で抽出されます。精油の色は琥珀色で粘性があり、バルサム、スモーキー、ウッディ、スパイシーの香りのなかに苦みを感じさせる温かみのある香りです。神秘的で崇高な香りは祈り、ヨガ、瞑想の際などの精神統一に適しています。抗炎症と消毒作用に優れているため傷口や口腔内のケアに役立ちます。スキンケアに使用すると乾燥肌や荒れた肌、手荒れ等の良いケアとなります。肺のエナジーを活性させて咳、気管支炎、風邪などの過剰な粘液を伴う症状を癒し、粘膜の状態を落ち着かせます。英国ハーブ薬局方ではミルラ精油は口内炎、歯肉炎、咽頭炎などの口の病気に有用とされており、市販製品では口腔ケア用品や歯磨きなどに利用されています。子宮の働きを強めるとされていますが通経性があるため妊娠中は禁忌です。ミルラ精油は粘性が高くドロッパーから滴下しにくい場合はスポイトを使用します。深みと重みのある香りはブレンドの良い保留剤となります。 ★イエス・キリストの精油★
一般的な精油に期待される作用:抗炎症、消毒、収れん、瘢痕形成、鎮静、癒傷、抗菌、抗真菌、健胃、通経、子宮強壮 心への作用:恐れ、怒り、パニックの時にお使いください。不安を鎮め精神を安定させます。恐れや怒りが原因のさまざまな心身のトラブルを癒します。 ヒーリングの作用:瞑想、変性意識状態に誘います。内なる医師(インナードクター)、内なるヒーラー(インナーヒーラー)を呼び覚まし、ありとあらゆる傷ついた心と魂の癒しを行います。直感力、霊力を高める働きをします。死者との対話、前世ヒーリング、ハイヤーセルフとの対話を行う際にも。 キーワード:ヒーリング、霊的成長、変容を助ける 相性の良い精油:花系、樹脂系、スパイス系との相性が良い。フランキンセンス、ラベンダー、シダーウッド、ローズウッド、ローズ、イランイラン、クローブ、パチュリー、サンダルウッドなど、香りはそれほど強くなく、ブレンドに重みと保留性を与えます。 禁忌:通経作用があるため、妊娠中の使用は避けます。肌使用は皮膚刺激の可能性があります。
◆無月経、少量月経に ◆エイジングスキン、しわ、乾燥肌、荒れたお肌に ◆口内炎、歯肉炎に ◆すり傷、切り傷、手荒れ、ひび割れに
古代より薫香材、お香の材料として使用されてきた樹脂です。昔は黄金と同じほどの価値がありました。香りには苦味があり樹脂のなかに砂や石が含まれないものが上質とされます。防腐作用があり、乾燥させる性質を持つ没薬は古代エジプト時代のミイラ作りには欠かせない香料でした。没薬は埋葬した死者が再びよみがえるための霊力を与えるものとして大切にされていました。没薬のような樹脂を総称してゴムまたはレジンと呼ぶ事があります。樹脂は灰に埋めて香炉で焚いたり、インセンスバーナーを使って香りとともに立ち上る煙を楽しむ事が出来ます。古代エジプトの時代に焚かれたキフィ=Kyphi(香料)には、この没薬の他に乳香、白檀、肉桂、安息香、菖蒲根など十数種類の材料が使われていたそうです。それらを赤ワインに漬け、潰したレーズンと少量のハチミツで練り合わせたものがキフィです。古代の神官たちは日没にこの香を焚く事でその日の憂さを忘れさせ、安らかな眠りにつかせたと言われています。没薬はインセンスとして焚く他に、ポプリの保留剤、蜜蝋キャンドルの材料としても活用出来ます。 注意:クラフトグレードの没薬は薫香材として使用するもので、食品ではありません。 インセンスの作用:防腐、乾燥、精神の浄化
◆瞑想、精神浄化、結界をつくる ◆ポプリ、匂い袋に ◆手作りインセンス、手作りキャンドルに
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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