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精油とハーブのプロフィール事典《スイートグラス(スウィートグラス)Sweet grass》
英名:Sweet grass スイートグラスは、和名を「コウボウ」と言い、北アメリカと北ユーラシアが原産のイネ科コウボウ属の多年草です。湿気の多い低地を好み、北米のプレーリーに植生しています。近縁種に「ハルガヤ」(スイートバーナルグラス、学名:Anthoxanthum odoratum)があり、葉には桜の葉に似た芳香がします。スイートグラスの甘い芳香はクマリン成分によるもので別名を「Holy grass(ホーリーグラス)」、「Vanilla grass(バニラグラス)」、「Bison grass(バイソングラス)」と呼ばれています。属名の「Hierochloe」は「聖なる草」を、種小名の「odorata」は「香りのよい」を意味しています。北極圏にも植生出来る丈夫な植物で、細長い葉と茎は柔らかく、株によって年1〜5回収穫できます。北欧では「聖人の日」に教会の扉の前にスイートグラスを撒きました。靴で踏まれることによって甘い香りを立ち上らせる「ストローイングハーブ(まき散らすハーブ)」として、あるいは瞑想に誘う香草として用いられました。フランスではキャンディー、タバコ、飲料、香水などのフレーバーとして利用されていました。ロシアではティーの風味付けやウォッカのフレーバーとして利用されました。現在でも「ズブロッカ」(ポーランド産のフレーバーウォッカ)の香りづけとしてよく知られています。スイートグラスに含まれるフィトールとクマリン成分には蚊の忌避作用があります。有用部は全草で初夏から晩夏にかけて収穫されます。北米のネイティブインディアンたちはこの植物を三つ編みにして天日乾燥させ、ブレイドと呼ばれる伝統的な組みひも状の香を作ります。乾燥させることでスイートグラスの甘い芳香が強まります。 《スイートグラス》インセンスのプロフィール 北米のネイティブインディアンたちはスイートグラスを「Four sacred medicines(4つの神聖な薬)」の一つとして大切にしてきました。4つの神聖な薬とは「タバコ」、「セージ」、「杉(シダー)」そして「スイートグラス」です。ネイティブインディアンたちは精霊世界と通じる扉の東に「タバコ」、南に「スイートグラス」、西に「セージ」、北に「シダー」があるとし、すべての儀式における供物にこれらの植物を用いました。植物を燃やすことで燻し出される神聖な香煙は精神を高めて霊的なコミュニケーションをもたらします。自身、家族、一族への祈り、浄め、浄化などの儀式では最初にスイートグラスの葉を乾燥させて編んだものを燃やします。それによって善霊を引き寄せることが出来ると彼らは信じてきました。書籍「インセンス 〜薫香料と香を焚く儀式〜」トーマス・キンケレ著(フレグランスジャーナル社)によれば、スイートグラスの薫香は優しく明るい雰囲気を作り、浄化を目的とする場合はホワイトセージやコパルとよく合うとされています。 《スイートグラス》インセンスの使い方 スイートグラスはホワイトセージと同じく「スマッジング」に使用します。アバロンシェルや灰皿を用意し、スイートグラスに火を付けます。すぐに火をシェルや灰皿に押し付けて消し、漂う香煙で浄化や瞑想を行います。スマッジングが終わったら火が完全に消えていることを必ず確認してください。 注意:インセンスとして入手したスイートグラスは薫香材として使用するもので食品ではありません。 一般的なインセンスに期待される作用:浄化、気分軽快 ◆スマッジングに ◆手作りインセンスに
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