英名:Juniperberry
学名:Juniperus communis(ユニペルス・コンムニス)
和名:セイヨウネズ、トショウ(杜松)
科名:ヒノキ科
種類:常緑低木
樹高:約~10m
原産地:北アメリカ、ヨーロッパ、北アジア、北アフリカ
精油の抽出部位:ジュニパーベリーは実、ジュニパーは枝葉
精油の抽出方法:水蒸気蒸留法
精油の香りのイメージ:清涼感のあるスパイシーでウッディー調の香り
香りのノート:ミドル
ブレンドファクター:4
精油の成分例:
【モノテルペン炭化水素】α-ピネン(30〜80%)
【モノテルペン炭化水素】リモネン(5〜10%)
【モノテルペン炭化水素】β-ピネン(2〜5%)
【モノテルペン炭化水素】サビネン(5〜35%)
【セスキテルペン炭化水素】β-カリオフィレン(2〜10%)
【モノテルペンアルコール】テルピネン-4-オール(微量)
【エステル】酢酸テルピニル、酢酸ボルニル(微量)
ジュニパー植物画:Wikipedia
常緑の低木で青緑色の針葉をつけ、黄緑色の花を咲かせます。秋には青黒い小さな球果(実、ベリー)をつけます。ジュニパーはラテン語の若い実を意味する「juniores」に由来しています。古代ギリシャ人は伝染病の予防に枝葉を燃やしました。ヨーロッパでは空気の浄化作用があることからジュニパーの枝葉を乾燥させたものを病院内で感染予防に焚いた歴史があります。煙とともに追い出すものは病原菌だけではなく、人々の心の中にある「魔」(ネガティブな感情)も含まれていたのかもしれません。針のように鋭い葉がネズミ除けとして生け垣に使われた事からジュニパーの木は「ネズミ刺し」の別名があります。グリム童話「ねずの木の話」では、この木の根元に埋められた兄が美しい鳴き声の鳥となって生まれ変わる場面があります。ジュニパーの持つ真実を伝える力と、死と再生の魔法を象徴しているかのようです。シャーマニズム文化では、ジュニパーの実と枝葉はともに香として焚かれました。インディアンたちは「好ましくない状態」の浄化を行い、守護の力を引き出すために、スウェットロッジの儀式や太陽のダンスでこの植物を使いました。ジュニパーベリーはドイツでは重要な霊薬として大切にされています。ハーブセラピーで使用するのはドライにした実で、黒い球状をしています。少し硬いので乳鉢とめん棒もしくはスプーンの裏で軽くつぶしてからハーブティーに抽出します。利尿や解毒の作用に優れ、飲み過ぎ、水分の摂り過ぎ、むくみに利用されます。その他にも、ジュニパーの実はワインやリキュールの香りづけ、肉や魚料理の臭み消しとしても役立ちます。ジュニパーの実は洋酒の「ジン」の香りづけとして知られており、フランス語のgenievre(ジュニエーブル)が縮まった発音だと言われています。精油は実部分を乾燥もしく半乾燥させて抽出します。ジュニパーベリーと呼ばれる精油が最も高級品とされており、針葉や木部から抽出されたものは区別するために単に「ジュニパー精油」と呼ばれています。ジュニパー精油はジュニパーベリー精油に比べるとやや品質が劣ります。ジュニパーベリー精油は利尿や解毒の作用に大変優れています。不要な水分を排出する力が強いため、腎臓病の方、妊娠中、授乳中の使用はなるべく控えめにします。身体の不要なものだけではなく、心や霊性からも必要でなくなったものを浄化させる力があります。
《ジュニパーベリー精油》の作用
一般的な精油に期待される作用:浄化、利尿、解毒、健胃、発汗促進、神経強壮、抗リウマチ、抗菌、抗炎症、収れん、鎮痛、刺激、うっ滞除去
心への作用:心にたまった不要なものを排出したい時に役立ちます。ストレスを取り去り、気持ちを浄化させてくれます。生活習慣をきちんとし直したい時、気持ちをすっきりとさせたい時、集中力、意欲を高めたい時にも。
ヒーリングの作用:オーラクレンジングとしてオーラのなかの不要なゴミ(汚れ)を取り去ります。ネガティブなエネルギーの浄化やヒーリングに適した空間づくりをしたい時に。心の中の魔をはらい、誘惑を退けます。すでに必要でなくなった信念を手放すのにも役立ちます。
キーワード:浄化、再生、集中力
相性の良い精油:ハーブ系、柑橘系、樹木系と相性が良い。柔らかなスパイシーさと森のような香りでブレンドを引き締めます。
禁忌:肌使用は皮膚刺激の可能性があります。妊娠初期、授乳中、腎臓に疾患のある方は使用を避けます。
《ジュニパーベリー精油》を使ったホームケアの方法
◆二日酔い、むくみ、水分太りに
アロマバスに加えるか、キャリアオイルに希釈して全身のトリートメントを行います。
◆肩こり、腰痛、筋肉痛、神経痛のケアに
キャリアオイルやクリームベース、ジェルベースなどに希釈してマッサージ塗布を行います。
◆セルフリンパマッサージに
各リンパ節にオイルマッサージもしくはジェル等で軽い刺激を与えます。
◆セリュライト予防に
キャリアオイルに希釈して気になる部分を揉みだします。
◆オーラの侵害を流し去る、スピリットの浄化に ※精神世界的な使用法
バスソルトに1滴加えてリチュアル&デトックス入浴を行います。
◆月経前緊張症、生理痛に
下腹部、腰部分にオイルマッサージをするか、温湿布を行います。
◆足のむくみに
足湯を行うか、脚部分を足首から足の付け根へ向けてオイルマッサージします。
◆脂性肌、ニキビ肌、毛穴が気になる肌に
石鹸、ローション、クリームベース等に加えます。
◆加齢臭・汗の臭い対策、デオドラントに
ボディパウダー、ボディコロンに加えます。
《ジュニパーベリー》ドライハーブのプロフィール
ハーブの使用部位:球果(実)
ハーブの成分:精油、フラボノイド、タンニン、ビタミン類、糖類、樹脂
一般的なハーブに期待される作用:発汗、利尿、解毒、健胃、食欲促進、抗菌
禁忌:腎臓の病気の方は多量、多用、4週間を超える連続使用を避けます。
ハーブティーブレンド:ペパーミント、レモングラス、セージ、ローズマリー、レモンバームなど
ハーブティーの浸出時間:やや長め 5分 ※軽く砕いて抽出させます
ハーブティーの味:わずかにぴりっと刺激のあるウッディな味わい
《ジュニパーベリー》ドライハーブの使い方
◆膀胱炎、むくみ、二日酔いに
ローズ、ペパーミント、レモングラス等とブレンドし、ハーブティーにして飲みます。
◆体内浄化に
やや濃いめのシングルティーもしくはブレンドし、ハーブティーにして飲みます。
◆膀胱炎、膣炎など尿路感染症のケアに
浸出液の座浴もしくはハーブスチームに加えます。
◆むくみ、二日酔いに
ハーブバス、ハーブスチームに加えます。
◆ハーブ酒、リキュールに
ウォッカやワインに漬け込んで香りづけに使います。
◆ポプリに
他のハーブと組み合わせてポプリに加えます。
アロマとハーブの資格を取得する
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。