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精油とハーブのプロフィール事典《カモミールジャーマン Chamomile german》
英名:German chamomile カモミールはギリシャ語で「地上のリンゴ」を意味する「χαμαίμηλον」(chamaimēlon)に由来し「地上の」を意味する「χαμαί」(chamai)と「リンゴ」を意味する「μήλον」(mēlon)が組み合わされた言葉です。近縁種であるローマンカモミールの香りがリンゴに似ていることから、そのように呼ばれるようになりました。医学の父、ヒポクラテスはカモミールを薬用植物として紹介し、古代ギリシャの医師アスクレピアデスもカモミールのティーを推奨していました。医師、植物学者のディオスコリデスはカモミールを腸、神経、肝臓障害の治療に用い、婦人科系の症状に対しても処方していました。ジャーマンカモミールは羽のような繊細な葉を持ち、春にリンゴのような香りの可憐な白い花を咲かせます。開花するとヒナギクに似た花弁は反り返り、これが種小名「recutita」(下に反る)の由来です。カモミールは庭に植えると他の植物を元気にする事から「Plants Doctor」(植物のお医者さん)と呼ばれ、強いヒーリングパワーを持ちます。ジャーマン・カモミールはカモミールティーとして大変親しまれています。ローマンカモミールのハーブティーがその苦味のためにあまり一般的でないのに対し、ジャーマンカモミールティーはカフェ等でも提供される代表的なハーブティーです。欧米では伝統的な風邪のためのヘルシー茶で、英国のピーターラビットの絵本には、風邪を引いたピーターにお母さんがカモミールティーを飲ませる場面があります。ドイツでは新生児に飲ませる事があるほど、穏やかで安全なハーブです。ハーブクラフトでは石鹸、サシェ、ローションパックなど応用範囲の広いハーブです。カモミール精油には「ローマン・カモミール」と「ジャーマン・カモミール」の2種類があります。どちらも花部から抽出されます。ジャーマンカモミールの属名Matricariaは「子宮(Matrix)」に由来し、この植物が女性(特に母親)のためのハーブである事を示唆しています。実際にドイツでは「母なる薬草」、中国では「母菊」と呼ばれ、家庭療法において母子にとって重要な植物とされてきました。ジャーマン・カモミール精油にはカマズレンという抗炎症作用のある特徴成分が含まれています。咲いている状態では白い花のカモミールが、水蒸気蒸留法によって抽出されると濃い青色となるのは、マトリカリンという成分がカマズレン成分に変化するためで錬金術のマジックを見ているようです。 ★ローマンカモミール精油との使い分け★ 《カモミールジャーマン精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:抗アレルギー、抗炎症、鎮痛、鎮静、瘢痕形成、癒傷、鎮痙、通経、肝臓強化 心への作用:ストレスを感じる時やストレスから来る皮膚のかゆみや炎症が出そうな時に。イライラした気持ちや緊張感で神経が痛めつけられていると感じる時にも。 ヒーリングの作用:安心感とヒーリングの力を与えます。潜在している治癒力を高めます。エネルギーの中で過敏、過剰になったものを穏やかに鎮静させます。インナーチャイルド、インナーマザーの癒しに。お母さんとの関わり、生まれてきた意味を知りたい時にも役立ちます。 キーワード:鎮静、ヒーリング、母子関係の再生 相性の良い精油:クラリセージ、オレンジ、ラベンダー、フランキンセンス、プチグレイン、ネロリ、ローズ、ローズウッドなど。花系、ハーブ系、柑橘系と合います。一滴でも強い薬草調の香りを持ち、ブレンド全体が濃いブルーの色に染まります。 禁忌:通経作用があるため妊娠時の使用は注意します。カモミール・ジャーマン精油はインクのような濃い青色をしているため、トリートメントの際には衣類、タオルへの色移りに注意します。 《カモミールジャーマン精油》を使ったホームケアの方法 ◆消化器系の不調、腹痛に ◆関節炎、捻挫、筋肉痛に ◆月経前緊張症、生理痛に ◆虫刺され、軽い湿疹に
《カモミールジャーマン》ドライハーブのプロフィール ハーブの使用部位:花 禁忌:キク科アレルギーの方は使用(特に外用)に注意します。妊娠中、授乳中の多量や常用使用を避けます。 ハーブの成分:精油、セスキテルペンラクトン、フラボノイド、コリン、クマリン類 一般的なハーブに期待される作用:鎮静、鎮痛、消炎、鎮痙、発汗、保湿、神経緩和、健胃、消化促進、子宮収縮 ハーブティーブレンド:何にでもよく合い、ブレンドのベースとなります。 ハーブティーの浸出時間:3分 ハーブティーの味:ほんのりと甘いリンゴの花のような香りと味わい 《カモミールジャーマン》ドライハーブの使い方 ◆消化不良、ストレス性の下痢、風邪に ◆日常的な就寝前のお茶に ◆眠れない、冷え性、更年期の不調、血行循環に ◆スキンケアに ◆ハーブクラフトに
◆アロマテラピーとハーブの資格取得に関してはこちらのページをご覧ください。
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