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精油とハーブのプロフィール事典《ダグラスファー Douglas Fir》
英名:Douglas Fir ダグラスファーは、カナダ、北米西部原産のマツ科の常緑針葉樹です。名前はファー(モミ)ですが、モミ属(Abies)ではなくトガサワラ属(Pseudotsuga)であるため、"Douglas-fir"と「‐」(ハイフン)を入れた表記をされることがあります。属名は「偽」を意味する「pseudo」と「ツガ」を意味する「tsuga」に由来しています。ダグラスファーの名前と学名は、この樹の種子を採取してヨーロッパに紹介したスコットランド人の植物学者、医師のデビッド・ダグラスとバンクーバー島でこの樹を初めて記録した植物学者、外科医のアーチボルド・メンジーズの2人への献名です。和名は「ベイマツ」で別名ダグラスモミ、オレゴンパイン、ブリティッシュコロンビアパインとも呼ばれています。樹齢の長いものは1,500年を超え、樹高40〜80m(時には100m以上にも)直径約2mに成長する地球上で最も大きな樹の一つです。若木の樹皮は薄く滑らかで灰色、成木になると樹皮はコルクのように厚く、褐色になります。葉は柔らかく扁平でモミの葉に似ています。葉の裏側には白い縞模様があり、尖った球果の苞はネズミの尻尾と後ろ足に似ていると言われています。実際に森林火災の際にはネズミたちはこの樹の樹冠に隠れるそうです。1920年代からはクリスマスツリーとして一般的に使われるようになり、現在でもその目的のために栽培されています。木材はカナダ産の針葉樹の中では最も強度が高く、耐久性に優れて加工しやすく木目が美しいため建材として利用されています。古来より冬至や冬の祝日を象徴する樹であり、厳寒期にそびえ立つ様子はこの樹の持つ厳しさに耐える力を表しています。陰鬱な冬の間、呼吸器系と免疫系に力を与える保護の樹として知られ、何世紀にもわたり、ネイティブアメリカンたちはダグラスファーの樹のあらゆる部位を様々な症状に用いてきました。特に樹脂には抗菌、抗炎症作用のあるテルペン類が多く含まれており、伝統療法では皮膚炎や傷の手当てにバーム(軟膏)として使われてきました。針葉にはビタミンCが含まれ、ティー、チンキ、香油、蒸気吸入、ハーブスチーム、お香などに用いられてきました。魔術的な言い伝えでは負のエネルギーや悪霊、疾病から身を守ると信じられており、これは葉に含まれるテルペンによる免疫強化の作用から来ていると考えられます。ダグラスファーの精油は針葉と小枝から水蒸気蒸留法で抽出されます。精油の色はクリア〜淡黄色でフレッシュでわずかに土っぽく、シトラス、フルーティを感じさせる針葉の香りがします。他の針葉樹系精油と同じく冬の間の閉ざされた空間を衛生的に保ち、風邪やインフルエンザなどの冬季の感染を防ぐために使われています。特にデュフューザーでの使用は空中のバクテリアを減らすのに役立ちます。その他にも肺や副腎を健やかにし、咳や筋肉の痙攣を和らげます。フレッシュな甘いバルサムの香りはまるで森林浴のように気分を回復させ、心に落ち着きを与えます。不屈の精神や忍耐強さが求められる時に気持ちを高めて心を強く保たせます。瞑想に用いると太古の知恵とつながり、先祖や古い魂からの啓示を受け取ることが出来ます。 《ダグラスファー精油》の作用 一般的な精油に期待される作用:鎮痛、抗感染、抗炎症、抗菌、抗痙攣、抗不安、収斂、冷却、充血除去、消臭、去痰、免疫賦活、強壮、高揚 心への作用:精神と感情を浄化し、落ち着きと心の安定をもたらします。 ヒーリングの作用:閉塞した状況に打ち勝つ強さと忍耐力、不屈の精神を与えます。 キーワード:浄化、保護、耐える力、回復、グラウンディング 相性の良い精油:ベルガモット、レモン、オレンジ、ラバンジン、シダーウッド、ユーカリ、フランキンセンス、ジュニパーベリー、ラベンダー・トゥルー、サンダルウッド 注意:酸化した精油は皮膚感作の懸念があるため注意が必要です。 《ダグラスファー精油》を使ったホームケアの方法 ◆風邪、インフルエンザの予防に
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