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精油とハーブのプロフィール事典《木香(モッコウ、コスタス・ルート)Costus root》
英名:Costus root、Saussurea root 木香は、インド北西部原産のキク科の多年草です。直立する茎が1〜2mにも成長する大型の植物で、中国にも渡来しています。ヨーロッパに自生するエリキャンペーン(土木香、オオグルマ)に近い種類で7〜9月にかけて茎の先端にアザミに似た暗紫色の頭花を多数咲かせます。根は古来より生薬や香料として使われ、アーユルヴェーダでは消化管の感染症、喘息、神経の緊張や衰弱などに、中医学では神農本草経に上品として記載され、鎮咳、健胃作用のある温性の生薬として利用されてきました。日本には飛鳥時代に渡来し、東大寺正倉院には最古の木香が収蔵されています。日本では芳香性健胃、鎮咳、精神安定などの生薬として加味帰脾湯や女神散などの漢方薬にも処方されています。その他にも衣類に香りを焚きしめる「衣香」や虫除けの「防虫香」などに利用されてきました。蜜や麝香を想わせるやや辛味のある香りで、アラブでは催淫作用のある媚薬として薫香や香油に使われてきました。精油はコスタス・ルート精油と呼ばれ、根から水蒸気蒸留法で抽出されています。流通は少なく、アロマセラピー利用は一般的ではありませんが、粘性があるため保留剤として主に天然香水や香油に使用されています。主成分はセスキテルペンラクトンのコスツノリドで抗炎症、抗腫瘍、抗ウイルス、抗菌、抗真菌、抗酸化、駆虫作用などがあるとされています。香りは温かみがあり、土っぽさとアニマルノートを感じさせます。コスタス・ルート精油はシングルよりもブレンドに向いており、少ない滴数で用いるとブレンドに深みのあるニュアンスを与えます。瞑想に用いるとインスピレーションを高めてネガティブな感情を解放させ、気分の高揚と楽観的な雰囲気を作り出します。 《木香》インセンスのプロフィール インセンスの使用部位:根 《木香》インセンスの使い方 ◆薫香材、お香に
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