英名:Copal
学名:Bursera spp.(ブルセラ)
和名:コーパル樹脂
科名:カンラン科
種類:低木、高木
樹高:約5〜15m
原産地:アジア、アフリカ、南米
カンラン科ブルセラ属 植物画:Wikipedia
「コーパル」(コパル、コパール)は「カンラン科ブルセラ属」の樹の樹脂から採れる芳香性のある天然樹脂の総称です。「コーパル」の名前はアステカ語の「Copalcoahuitl」に由来しています。カンラン科ブルセラ属の樹木はアジア、アフリカ、南米などの熱帯の温暖な地に植生し、低木から高木まであり、その多くは固有種で約100の種類があります。成長すると樹高が25mになる植物もあります。いずれのコーパルも樹脂の分子構造はよく似ており、植物学名の特定は難しいとされています。樹脂は昆虫や自然現象によって傷ついた幹部から染み出る樹液が固まったものでナイフで切り取って採集します。「コパレロス」と呼ばれる現地の熟練職人たちは木を傷つけることなく樹脂を取り出す伝統的な技術と知恵を持っています。古代マヤ文明では大地の神が生命の樹からコーパルの樹脂を取り出し、それを人間に贈り物として与えたと考えられてきました。メソアメリカ文明にとって非常に重要な香料でマヤ族たちはこの樹脂を「神々の糧」と呼んで通過儀礼、預言、神とつながるための香として焚いてきました。現地のブッシュ・メディスン(薬草療法)では皮膚疾患、筋肉痛、虫歯の治療などに使われてきた歴史があります。コーパルはメキシコや中央アメリカの先住民族の伝統的なスウェットロッジの儀式や「聖なるキノコの儀式」の際にも神聖な香として焚かれてきました。樹脂は粒状で明るいレモンイエロー色から黄金色、乳白色、黒茶色まで様々な色があります。マヤ族たちは明るい色のコーパルを珍重していました。現在、市場に流通しているコーパル樹脂のタイプには主に「ホワイト」(ブランコ、白)、「ゴールド」(オロ 、金)、「ブラック」(ネグロ 、黒) の3つタイプがあり、それぞれに特徴があります。ナンヨウスギ科の「Agathis dammara」やマツ科の「Pinus contorta」から採れる樹脂も「コーパル」と呼ばれています。
★コーパルとアンバー(琥珀)★
コーパルはインセンスショップの他にクリスタルショップで見ることがあります。それらは樹脂香料ではなく、アンバーと同じく広義のクリスタル(鉱物ではなく植物樹脂を由来とする)としてクリスタルヒーリングに用いられています。鉱物の世界ではアンバーやコーパルなどの化石樹脂を総称して「ゲダナイト」と呼び、コーパルは樹脂とアンバーの中間である「半化石」「若い化石」として扱われています。アンバーよりも硬度が低いことから「柔らかい琥珀」とも呼ばれ、時には「インクルージョン(太古の虫や植物などの内包物)」が見られるものもあります。「琥珀色」のアンバーに比べ、コーパルは明るいシトリン色をしています。ジュエリーの世界でもコーパルは珍重されていますが、大半は人工的な強化が加えられています。
《コーパル》インセンスのプロフィール
熱帯雨林のシャーマンたちは病魔を祓い、神を幻視するための香として焚きました。マヤ族が明るい色のコーパルを珍重したのは浄化や透視能力を高める性質に優れていたためで、香煙がもたらす鎮痛などの薬理作用は、リラクゼーションや変性意識に導かれた結果として起こるものだと考えられています。現地では魔術や妖術などの攻撃から身を守る香として一般の人たちも習慣的に用いています。思考を明晰にして心を開かせ、精神と霊性の成長をサポートします。レモンのようなウッド調の香りで単体で焚くと香りがくっきりと広がります。書籍「癒しのお香」カーリン・ブランドル著(産調出版)によれば、サイプレス、トウヒ、マツなどの薫香材とブレンドして焚くとフレッシュグリーンの香りとなるとのことです。
インセンスの使用部位:樹脂
一般的なインセンスに期待される作用:鎮静、浄化、霊的成長、保護、変性意識(トランス状態)に導く
インセンスとしての香りのイメージ:バルサムとレモン様の上品な香煙
注意:コーパルは薫香材として使用するもので食品ではありません。
《コーパル》インセンスの使い方
香炉を用意し、チャコールに点火してその上にコーパルの樹脂を1粒置いて焚きます。薫香が終わったら火が完全に消えていることを必ず確認してください。
◆薫香材、お香に
専用香炉にチャコールを入れて焚きます。
◆手作りインセンスに
他の樹脂香とともにミルでパウダーにして手作りのインセンスの材料にします。
◆ポプリに
単体もしくはその他の薫香材と一緒にボウルなどに盛って空間浄化のインセンスポプリとして使用します。
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